⑨ 不足しやすい栄養素

糖質制限を始めると、「ちゃんと栄養は足りているのか」「体に悪くならないか」と不安になる人は少なくありません。
実際、糖質を減らすことで食事の選択肢が変わり、意識しないと不足しやすくなる栄養素がいくつかあります。

この記事では、糖質制限中によく質問される「何が不足しやすいのか」「どう補えばいいのか」を整理していきます。


この記事を読んだらわかること

・糖質制限中に不足しやすい栄養素の種類
・なぜその栄養素が不足しやすくなるのか
・不足すると体にどんな影響が出やすいか
・食品から補うときの基本的な考え方


1. 糖質制限で栄養バランスが崩れやすくなる理由

糖質制限では、主食(ごはん・パン・麺類)を減らすことが多くなります。
これらの食品は糖質だけでなく、ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源でもあります。

そのため、

「糖質を減らした結果、特定の食品群を丸ごと減らしてしまう」

という状態になると、栄養素も一緒に減りやすくなります。
問題は糖質制限そのものではなく、代わりに何を食べているかです。

また、糖質を控えることで、体はブドウ糖以外のエネルギー源も使うようになります。
その代表が、脂質から作られるケトン体です。

ケトン体は糖質制限中に重要な役割を持つエネルギー源ですが、
仕組みや安全性を正しく理解していないと、不安につながりやすい部分でもあります。

※ケトン体の働きや注意点については、
⑨-1 ケトン体とは?の記事で詳しく解説しています。


2. 不足しやすい栄養素① 食物繊維

食物繊維は、日本人全体で不足しがちな栄養素ですが、糖質制限中はさらに不足しやすくなります。

主食を減らすことで、
・穀類由来の食物繊維
・いも類、豆類の摂取量
が減りやすいためです。

食物繊維が不足すると、
・便通の乱れ
・腸内環境の悪化
・食後血糖値のコントロールが難しくなる
といった影響が出ることがあります。

糖質を抑えつつ、野菜・きのこ・海藻などの食物繊維を意識的に増やすことが基本的な対策になります。


3. 不足しやすい栄養素② ビタミンB群

ビタミンB群は、エネルギー代謝を支える重要な栄養素です。
特にB1・B2・B6などは、主食や豆類に多く含まれています。

糖質制限でこれらの食品が減ると、
・疲れやすい
・だるさを感じやすい
・集中力が落ちる
といった体感につながることがあります。

肉・魚・卵にも含まれますが、偏った食事になると量が足りなくなる点には注意が必要です。


4. 不足しやすい栄養素③ ミネラル(マグネシウム・カリウムなど)

ミネラル類も、糖質制限中に質問が多いポイントです。

特に、
・野菜や果物を控えすぎている
・加工食品が中心になっている
場合、マグネシウムやカリウムの摂取量が減りやすくなります。

これらが不足すると、
・足がつりやすい
・倦怠感
・体調の違和感
を感じる人もいます。

極端に食材を絞らないことが、ミネラル不足を防ぐ一番の対策です。


5. 不足しやすい栄養素④ カルシウム

カルシウムは、乳製品や小魚、大豆製品などに多く含まれます。
糖質制限そのものが直接原因になるわけではありませんが、

・食事量が減る
・特定の食品を避ける
といった状況が続くと、結果的に摂取量が減ることがあります。

長期的には、骨の健康との関係も指摘されているため、
食事全体のバランスを確認する視点が大切です。


6. 「不足する=危険」ではないという考え方

よくある誤解として、

「糖質制限=必ず栄養不足になる」

という見方がありますが、これは正確ではありません。
不足が起こりやすいのは、食事内容を十分に考えずに続けた場合です。

・主食を減らす
・その分、たんぱく質と野菜を増やす
・食品の種類を極端に絞らない

このような意識があれば、栄養不足のリスクは下げられます。


まとめ

糖質制限では、食物繊維・ビタミンB群・ミネラル・カルシウムなどが不足しやすくなります。
これは糖質制限そのものが悪いのではなく、食事の選び方による影響です。

大切なのは、
・何を減らしたか
・何で補っているか
を冷静に見直すこと。

不安を感じたときは、「やめる・続ける」ではなく、
内容を調整するという選択肢もある、という視点を持っておくと判断しやすくなります。


参考資料・出典
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000208970.html
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/


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⑩ よくある誤解Q&A
→ 糖質制限について実際によく聞かれる疑問を、誤解と事実を分けて整理しています。栄養不足や安全性への不安を整理するためにおすすめです。


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⑦ GI値とは
→ 食品選びの基準としてGI値をどう使うかを理解すると、糖質制限中の食事バランスを考えやすくなります。

⑧ 人工甘味料とは
→ 糖質を減らす過程で甘味料を使う人が多いため、成分や安全性の考え方を補足的に理解できます。

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